二刀流3年目をデータで振り返る 圧巻の「投手大谷」、伸び悩む「打者大谷」

「『打者・大谷』を抑えるのは簡単」!?

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2015年 打者・大谷翔平の打率ヒートマップ

 特に弱さを見せているのは、カーブ(10打数無安打)、チェンジアップ(13打数2安打=打率1割5分4厘)、そして外角のボールゾーンへのスライダー(6打数1安打=1割6分7厘)。一方で、ストライクゾーンの直球(27打数9安打=3割3分3厘)、フォーク(11打数5安打=4割5分5厘)には強さを見せているが……。

「甘いフォークだけやっつけた感じですね。もともと、大谷のバッティングはプロに入ってきた時から、ヘッドが出てこない感じでした。だから、チェンジアップにはバットが止まらない。フォークの抜け球も、真っ直ぐを打ちにいって自然と合っているだけかもしれません。

 どの球種も中途半端な高めのところしか結果が出せてない。カーブ、チェンジアップにこれだけの数字を見せてしまうと、本当に緩い球に脆いと言われて反論は出来ないですよね。右ピッチャーの緩急と左ピッチャーのスライダーは『これは打てません』という感じです」

 この課題は10本塁打を放った2014年も同じで、チェンジアップは打率1割2分9厘、フォークは打率1割7分6厘となっており、二刀流の厳しさがデータに表れていると野口氏は言う。

「2014年もやっぱりチェンジアップは駄目。フォークもしっかり低めに投げられるとこうなってしまう。『打者・大谷』を抑えるのは簡単かなと思います。低めに集めればまず打たれない。ピッチャーとしての調整がメインになってしまうでしょうから、その中で結果を出せというのも大変でしょうけど……」

 課題は山積みで、練習量の少なさが結果につながってしまっている。

 急激な成長曲線を描く「投手・大谷」と、伸び悩む「打者・大谷」。2015年シーズンで出た対照的な結果が、二刀流右腕の将来にどう影響していくのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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