元阪神・呉昇桓はMLBで通用するか レ軍・田澤との比較で見る「直球」の壁
投球スタイルの変化が成功の鍵も…
「いくら呉昇桓でも(カージナルス守護神の)ローゼンタールのような100マイル(160.9キロ)に近い真っすぐは投げられません。出て155キロですからね。ボールも動かしはしないですし、日本人や、若かったころに投げ勝てていた韓国人相手とでは違います。20代半ばくらいのバリバリの腕の太いメジャーリーガーに通用するのかというと……。やはり、投球スタイルの変化が鍵になると思います」
野口氏は常時97、98マイル(150キロ台後半)を計時し、ここ2年で計93セーブを挙げているカ軍の抑え右腕を引き合いに出し、速球を全面に押し出した投球からの変化がポイントになると指摘。一方で「前田健太は速球派ではないから通用する気がするのですが、呉昇桓はマイナーチェンジできるタイプではないと思うんです。変化球でかわしににいけるタイプではないと思うんですけどね。スターターでもないので……」と適応力に難がある可能性も懸念しつつ、「本人がもしスプリット押しでいくと思っているのであれば、通用すると思います」と分析した。
また、2008年以来8年連続でゴールドグラブ賞を受賞するなどMLBを代表する捕手であるヤディアー・モリーナを擁する球団に所属するメリットも大きいと同氏は見ている。
力勝負でいくとなると、一筋縄ではいかない世界。アジア屈指のクローザ―は海の向こうでどのような適応力を見せるのか、日本時代との投球の変化も見所となりそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count