パはホークスが三軍制、MLBでは七軍以上も!? マイナー組織の存在意義とは
米国に200以上あるマイナー組織、選手だけでなくスタッフにも「登竜門」に
その狭き門で戦力となる準備の場が、米国に200以上あるマイナーの組織が担っている。メジャーで働く多くのスタッフは大学時代、もしくは社会人になり立ての頃は、マイナーで仕事をしていたという人間が多い。スポーツの現場での「実戦の場」があったからこそ、メジャーの舞台に辿り付けたという人も少なくないはずだ。
そのためマイナー組織の存在意義はもちろん、メジャー球団にとっては選手を育成するという意味で多大なる意義を果たしていると思うが、それ以上に野球界だけではなく米国のスポーツ界にとって人材を育成する場としても欠かせないのではないだろうか。
最後に補足しておく必要があるが、マイナー組織のほとんどが独立資本であり、それぞれが独立採算制の運営を行っている。選手の給料はそれぞれの契約チームから支払われているものの、経営に必要な経費はマイナー組織が自ら収入を上げて運営しているのである。
各マイナーの球団では地域密着を掲げ、地元に愛される存在としての役割を果たしていることも多い。そのため、そこで働く人材は学生であろうと、プロの現場で実戦を築くことができるのである。
もし日本でも下部組織が増えれば、選手だけではなく、関わる人材にとっても多くの実戦の場が提供されることになるだろう。それがいずれスポーツ界全体の財産となっていくはずだ。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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新川諒●文