抑えて当然、打たれれば戦犯 クローザーの難しさ、苦労とは
クローザーにとって最もつらいこととは…
○無失点でも3人で抑えることを求められてしまう
守護神の役割とはいったい何か。それはリードを守ったまま、試合を終えることだと考える。同点、負けている場面の登板ならば1点も与えないことも重要である。無失点に抑えて試合に勝利しても、安打や四球で走者を出したことを「ピリッとしない」などと首脳陣から叱責されることもある。このように守護神に対して「仁王立ちで相手を完璧に3人で封じるもの」と考えている人もいれば、「何人走者を背負っても点を与えなければいい」と考える人もいる。選手やコーチの考え方は人それぞれだが、走者を出しても抑えればいいという開き直りが、投手の大きな成長につながることもある。
○自分の責任で先発の白星が消える
先発投手が守ったリードを自分の失敗で一瞬でふいにしてしまうことがある。特に1-0でリレーした時などは責任重大だ。その1勝に1人の選手生命や野球人生がかかっていることもある。他選手の給料、生活を背負っているといってもいい。先発投手の勝ちを消してしまうことがクローザーにとって、一番つらいという選手もいる。
○登板までの時間の使い方が難しい
9回に登板することが多いクローザーは開始時間から3時間経過した時に出番が来ることもある。一方で出番に向けて、気持ちと体を作っていても、出番がないこともある。展開次第で何度も肩を作っては休み、また作るなど、状況に左右されるため、ルーティンを確立することが重要になる。