真逆の考えだった本塁打王の高校時代 T-岡田、山田哲人が過ごした3年間

同じ履正社高出身の大砲、恩師が明かす高校時代の2人の姿とは

 ゴールデンウィークのまっただ中。豪快なホームランが、スタンドに駆けつけた子供たちの視線を奪った。

 5月3日、オリックスのT-岡田が2号3ランを放てば、ヤクルトの山田哲人も11号となる本塁打を放ち、それぞれ勝利に貢献した。2人は同じ大阪の名門、履正社高出身。同校はセ・リーグ、パ・リーグそれぞれの本塁打王を輩出したことになる。一校から両リーグの本塁打キングが出ることは、なかなかいないのではないだろうか。

 2005年の高校生ドラフト1位で入団したT-岡田こと岡田貴弘外野手は、高校通算55本塁打を放ち、「浪速のゴジラ」と注目を集めた。さらに、巨人入りした辻内崇伸投手、中日入りした平田良介選手(大阪桐蔭)、阪神入りした鶴直人投手(近大付)と「浪速の四天王」とも呼ばれ、甲子園行きを争った。

 山田哲人はT-岡田が33本塁打で本塁打王のタイトルを獲得した2010年ドラフト1位でヤクルトに入団。履正社高では1年秋からレギュラーで活躍。中心選手として戦い、甲子園にも出場した。

 高校卒業後、プロで華々しく活躍している2人ではあるが、履正社高の名将・岡田龍生監督の眼には正反対に映っていたという。

「T-岡田の場合は初めから『僕はプロに行きたいんです』と言っていました。考え方がはっきりとしていました。山田はそうではなかったです」

 高校での活躍はもちろんのこと、T-岡田はプロという先を見据えて、計画的に練習し、貪欲にバットを振っていた。視野も広く、チームのことを考えられる選手だったという。プロに行くためには何が必要なのか。目標を持って、3年間、高校野球に没頭した。

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