メジャーで存在感発揮する小兵 167㎝でも驚異のパワー、その秘密は?

なぜ今季さらなる進化を遂げているのか?

 最後が「2016年:パワー打者でありエリート守備のスーパースター時代」だ。今季はwRC+が190をマーク。昨季のブライス・ハーパー(ナショナルズ)のwRC+が197だったことを見ても、いかに今季のアルトゥーベが打者として進化しているかが分かる。

 では、どうして今季はこのような進化を遂げることができたのだろうか? 記事によれば、理由は3つあるそうだ。

 1つ目の理由は、ボール球を振らなくなったこと。2014-15年のアルトゥーベは、ストライクゾーンを外れたボール球のうち38パーセントを振っていたが、今年は25パーセントに下降。その結果、昨季は689打席で33だった四球数が、今季は179打席で22四球、約3倍となっている。

 2つ目は、打球が速くなったことだ。ボール球を振らなくなったことで、打球の初速がアップ。昨季は打球の初速が時速86.1マイル(約139キロ)だったのが、今季は90マイル(約145キロ)と、よりパワーが伝わり、勢いが出ていることが分かる。

 そして、3つ目の理由は、打球の飛び出し角度がより理想的な角度に近づいていることだ。記事によれば、初速が100マイル(約162キロ)を超え、バットからの飛び出し角度が10~35度の範囲に収まる打球は、スタットキャストによると7割7分6厘の割合で安打となるという。昨季アルトゥーベの打球でこの条件を満たしたのは5.7パーセントだったのに対し、今季はなんと15.3パーセントに上昇している。

 この好調がどこまで続くのか。2014年の日米野球で来日した小さな巨人の進化ぶりに注目したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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