野球好き“アラフォー”の懐古心揺さぶった、楽天の「ファミスタナイター」

ファンサービスに詳しい作家・長谷川晶一さんに聞く

 試合終了後、この日観戦に訪れていた、球界のファンサービス事情に詳しい作家の長谷川晶一さん(『プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた!?涙と笑いの球界興亡クロニクル』『このパ・リーグ球団の「野球以外」がすごい!』[いずれも集英社刊]などの著者)に感想を聞いた。

「最初のファミスタが出たとき自分は16歳。発売してすぐに買ってプレーしていたヘビーユーザーでした。だからプロ野球とファミスタのコラボへの関心はあります。ファミスタのデザインを取り入れたグッズなどは以前からあって、広島カープは黒田博樹投手の復帰に合わせてTシャツをつくっていましたよね。だから、そういうグッズのコラボだけであれば、東京から仙台まで来なかったかもしれません。でも今日は、音楽なども使って球場全体をファミスタ風にするということだったので来てみました。

 かなりノスタルジーに寄ったものになってましたよね。僕ら世代は楽しめたのですが、華やかさは控えめ。その他の世代の方がどうとらえたかは気になりました。ファミスタが発売された頃、楽天イーグルスが存在していなかったというのが残念ですよね。もし当時から存在していれば、ゲームに登場したOBの方に登場してもらったりして、より華やかに盛り上げることもできたと思うんです。

 あと、今日は楽天側に得点が入らず、ホームランも出ませんでした。その場面に合わせた映像や音楽も準備されていたと思うので、それが見られなかったのも残念でしたね。

 正直言えば、少し物足りなかったところもあるのですが、球団は今できることをやろうとしていると感じましたし、僕はこの試みが好きなので、今後も継続していってもらいたいです。楽天さんは『島耕作』や『キン肉マン』みたいな作品ともコラボしてきていますし、チャレンジングですよね」

 確かに、楽天の攻撃がもっと活発だったら印象も違ったものになったかもしれない。そういう不確定要素がある中で立案しなければならないスタジアム演出の難しさについても考えさせられたイベントであった。次回開催にもぜひ期待したい。

【了】

秋山健一郎●文 Ken’ichiro Akiyama

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