【高校野球】岩手県の勢力図の変化、突出する私立校も今夏は早くも波乱
今春は釜石が新たな歴史刻む、今夏の岩手大会では花巻東が初戦敗退の波乱
この構図は、今後も継続されていくことになるだろう。花巻東は比較的県内勢が多く、県内一の実績に憧れて、県内の有望選手たちの一番希望となっている。これに対して盛岡大附は、関東などの県外生も多く受け入れている。
岩手県は北海道に次ぐ面積を有する県である。それだけに県内でも、場所によっては気候などにもかなりの違いがあるのも否めない。ことに、北上川に沿った盛岡市などの中心部分と、かつてはラグビーの7連覇などで一世を風靡した新日鉄釜石のある陸中海岸方面とでは、結ぶのは釜石線だけということもあり、交流は比較的少ない。その中間に位置しているのが『遠野物語』の舞台でもある遠野ということになる。
海岸方面は先の東日本震災でも大きな被害を受けた地区でもあるが、高校野球ということでいえば、それ以前から注目を浴びる学校は少なかった。そんな中で、84年春に大船渡がベスト4に残り、釜石南が96年春に甲子園で頑張り存在をアピールしている。さらに北上すると久慈勢で79年には久慈、93年には久慈商が甲子園に進出しているが、釜石南以降は甲子園には縁がなかった。
しかし、2016年春には釜石が21世紀枠代表でセンバツ出場を果たし、岩手県高校野球の新たな歴史を築いた。
そして今夏の岩手大会では初戦で早くも優勝候補の花巻東が敗れる波乱が起こった。岩手県内では今後どのような高校が飛躍していくのか。まずは今大会の動向に注目していきたい。
(記事提供:高校野球ドットコム)
【了】
手束仁●文
記事URL:http://www.hb-nippon.com/column/541- gene/10481-20160418no56gene