公立の星が強豪私立に挑む プロ注目の須磨翔風・才木浩人の可能性

初戦はスカウト20人が見守る中で好投

 プロ注目の公立の星・須磨翔風(兵庫)の才木浩人投手(3年)が10日に初戦に臨んだ。尼崎稲園戦(明石トーカロ)に先発し、5回1安打無失点。チームを勝利に導いた。20人のスカウトが見つめる中での投球だった。

 2年生からチームのエースとなり、昨年春は4強。昨夏は8強。187センチ、79キロという恵まれた体格から投げ下ろす力強いストレートが見る者の目を奪う。1本のヒットを許すも、その後は三ゴロ併殺に仕留めるなど安定した投球だった。「昨年は先輩の思いを背負っていたという緊張感がありました。今年はまた違った緊張感がありました」。私立強豪がひしめく兵庫で公立校が頂点を目指す。

 才木は中学時代は無名で、私立からの誘いはなし。高校1年の冬のトレーニングから一気にその才能が伸び出した。同校は2009年に神戸西高校と、須磨高校が再編・統合し、現在の校名になった。中日に入団した福敬登投手が神戸西の出身である。決して県内では名門高校とはいえないが、須磨翔風の中尾監督や同校野球部のコーチの熱のある指導に加え、才木の向上心がここまでを支えてきた

 グラウンドの裏にある掲示板にはソフトバンクの武田翔太投手がインタビューに応えた雑誌の切り抜きが貼ってある。才木の目に留まったのは武田の食事のとり方。同じ長身右腕で力強い直球にカーブなどの変化球を武器とする投手として、ホークスの若き右腕の体作りを参考にしていた。

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