【高校野球】 伝統校・横浜高の変革 新風吹かせる平田監督の覚悟「腹を切る覚悟はある」
h2>大役を受けたプレッシャー「月に2回くらい、末恐ろしくなることがあります」
――野球が好きで生徒が好きだったら、高校野球の監督はまさに天職ですね。
「勝負の世界なんで、いい意味でのうぬぼれを持ちながらやっていかないと、プレッシャーに潰れてしまう。そういう意味で言わせていただくと、これが宿命というか天命なんだなと。反面、とてつもない大役を仰せつかったという怖さもあるし、なんで僕なんだろうっていう葛藤もあります。月に2回くらい、末恐ろしくなることがあります。生徒と一緒に寮に泊まって、朝目覚めた時に『なんでこんなところに寝起きしているんだろ。どこから道を誤っちゃったんだろう?』って(笑)」
――伝統校という勝利を求められる場所で、新しい取り組みを行っていることに対するプレッシャーを感じているんでしょうね。
「かもしれません。ただ、腹を切る覚悟だけは持っています。そうしないと、思い切ったことができないんで。なんとか成功して、この座に長くとどまろう、とは思っていません。語弊はありますけど、ダメだったら退けばいい、そう思ってます。命を取られるわけじゃない。選手にも『ベンチの顔色をうかがうな。そんな野球の何が面白いんだ』って言っているんで、僕も人の顔色をうかがわないようにやろうと思います」
――こういった指導方法を目指すきっかけが、何かあったのでしょうか?
「コーチをしながら感じることもありましたし、いろいろなところで見聞きしたことが何気ないヒントになったり、ということはありました。ただ、僕自身、まだ視野が狭い人間だと思っている。高校野球は一年中やっているから、外に出るチャンスがない。たまには指導者だって、異国の野球を見てみたい、見る必要がある、と思うんです。もっともっと勉強してみたいこともあるし、見てみたい世界もある。自分自身の成長を目指す上でも、そこは課題ですね」