【高校野球】聖光学院の“一人勝ち”はいつまで継続されるのか 福島の勢力図の変遷とは
福島に優勝旗をもたらすのは聖光学院か他の勢力か
今後の目標は、福島県悲願の全国制覇を託される期待を担う存在となっていく。図らずも、福島駅のプラットホームの発車メロディーは、地元出身の古関裕而作曲の『栄冠は君に輝く』が流れる。この曲に乗って出発した聖光学院が栄冠を手にして戻ってきてほしいという県内の高校野球ファンも多いだろう。そして、それは東北勢の悲願でもあるのだ。
福島県勢がもっとも優勝旗に近づいたのは1971(昭和46)年の夏だった。飄々と投げて小さな大投手ともいわれた、田村隆寿投手(日大→ヨークベニマル)を擁する磐城が、決勝進出している。初戦で優勝候補といわれた日大一を完封したことから、快進撃は始まった。
鮮やかなスカイブルーの帽子とアンダーシャツの色が、小柄な選手の多い磐城の戦いぶりともマッチして、そのさわやかさが強調された。磐城が、高校野球ファン受けする進学校であったということも大きかった。決勝戦は桐蔭学園が相手だったが、当時まだ新興勢力だった相手の選手たちの上手さに比べて、磐城のひたむきさがより光った試合でもあった。
あれから45年が経過したが、東北には優勝旗が渡ってきていない。聖光学院はその期待をも担う存在となってきたのだ。
現状、聖光学院の一人勝ち状態の福島県となっているが、何とか抵抗を示していきたいという各校で筆頭格は系列大学が南東北大学連盟の雄となっている東日本国際大昌平か。さらには、伝統の福島商や学法石川が巻き返せるのか…。伝統校だけに県内でのファンも多い。
また、公立勢としては、白河を強豪に育てた箭内寿之監督が異動し早々から実績を上げている須賀川、県内初の単位制高校として発足したいわき光洋に実績のある光南、双葉に安達、小高工。そして、体育科が設置されて女子駅伝などで知られる田村もチャンスを窺っている。
(記事提供:高校野球ドットコム)
http://www.hb-nippon.com/column/1504-se/10371-20160424no21se
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手束仁●文