指揮官が明かす200勝黒田博樹の男気「降板時は、今でも“すみません”」

マウンド上では常に完投の意気込み「チーム全体でその存在は大きなもの」

 広島は23日、マツダスタジアムで行われた阪神戦に7対0で勝利した。先発した黒田の日米通算200勝が懸かった試合で、投打がかみ合った最高の形での勝利に、緒方監督の表情は明るかった。

 初回からルナの3ランで3点を先制し、3回には4本のタイムリーで7対0とリードを広げ、大記録のかかった黒田を援護した。

 緒方監督は「今日は当然、黒田だよね」と切り出した後、「野手もいい攻撃をしてくれて、黒田も楽な形でマウンドに上がれた。初回の得点は、黒田に勇気を与えたね。常にゲームを作るピッチャー。さすがベテランの投球だったね」と、快勝に満足そうだった。

 「投手陣だけではなく、チーム全体でその存在は大きなものがある」と黒田を讃えた指揮官は、「黒田は個人記録にこだわる投手じゃない。先発して降板する時は、今でも“すみません”と言うし、最後まで投げるという意気込みをいつも持っている」と頼もしそうに話した。

 緒方監督は「これから先もまだマウンドに上がってもらって、若い選手に投球の姿を見せて欲しい」と、チームの柱として期待を込め、「200勝なんて、あと何年も出ないんじゃないかな。その場にいることができて光栄に思います」と、レジェンドになりつつある右腕を祝福した。

【了】

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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