【高校野球】文武両道を高レベルで実践 各地区トップ級の進学校を紹介【西日本編】
甲子園常連校の山口・岩国
▼主な進学実績(2015年度卒業生) 京都大学:16人、大阪大学:25人、神戸大学:33人
【山口県立岩国高等学校】
全日制単位制の岩国。学校は普通科の他に理数科があり、在籍者は数学・理科に多くの時間を費やし、基礎力から応用力まで身に付くように指導されている。また、県内で他に理数科がある学校と合同でセミナー合宿をおこなったり、研究の成果を発表する大会を行ったりと、実戦的なプログラムが設置され、実績を上げている。
野球部は2000年以降、甲子園に7回出場。全てを率いたのが河口雅雄監督だ。1992年からコーチとして母校・岩国の指導に携わっていたが、公立高校野球部の監督では珍しく、現在も職業は教員ではなく会社員。特に2014年度は春・夏甲子園に出場し、山口県で際立った強さを誇る代であった。
▼主な進学実績(2015年度卒業生) 東京大学:2人(1)、広島大学:15人(14)、山口大学:21人(16)
【岡山県立岡山城東高等学校】
1987年開校の比較的新しい学校だが、その分、教育体系も新しい。人文社会、理数、国際教養、音楽という4つの「類型」と呼ばれる学習体系から単位を選び、カリキュラムを組んで専門性を深めていきながら、「ただ与えられたものを学ぶ」だけでは得られない経験を積んでいく。2014年にはスーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定も受け、生徒たちは「ステージは『世界』だ!」という学校が唱えるモットーの実現を目指している。
野球部は過去5回甲子園に出場。1996年に出場した選抜ではベスト4という好成績も残した。短い練習時間でも集中して取り組むのが岡山城東のスタイルだ。創部当初から山崎慶一監督が指導してきたが、私立の岡山学芸館高校へ招聘されてチームを離れて以降、思うような結果は出せていない。「短い練習時間でも甲子園に出場できる」という希望を他校に与えられる姿に戻りたい。
▼主な進学実績(2014年度卒業生) 東京大学:2人(2)、京都大学:4人(2)、岡山大学:75人(66)
【福岡大学附属大濠高等学校】
福岡を代表する進学校で、月曜から金曜は毎日みっちり7限まで授業がある福岡大大濠。3年生は、これにプラスして放課後の補講もある。テストが非常に多く、1年間に5回の定期考査、6回の実力考査、校内作成の実力テスト、英語コミニュケーションテストなどを実施し、学習成果の確認を怠らない。また、部活動も盛んで野球の他、サッカーやバスケットボール等でも、実力ある選手を多く輩出している。
野球部は、これまで甲子園に6回出場。この6回は全てOBでもある中野正英監督が導いた。大石達也(西武ライオンズ)や川原弘之(福岡ソフトバンクホークス)なども中野監督の教え子にあたる。選手指導に定評がある監督だったが、2010年を最後に勇退している。以降も2012年夏に県大会ベスト4へ進出するなど県内での力は安定しており、1991年の選抜を最後に途絶えている甲子園出場のチャンスを、虎視眈々と狙っている。
▼主な進学実績(2015年度卒業生) 九州大学:59人、東京大学:2人、佐賀大学:18人
以上、独自の視点から選んだ、文武両道を実践している進学校、西日本編を紹介した。中には、現役プロ野球選手を輩出している進学校もある。勉学と野球で高いレベルを保つ選手が、今後、輩出されるのかにも注目していきたい。
(記事提供:高校野球ドットコム)
http://www.hb-nippon.com/column/541-gene/9625-20150710no41gene