【高校野球】先発完投か継投か、強打か堅守か― 夏の甲子園準決勝の見どころは?
エース大西が3戦連続完投の北海vs継投で勝ち上がった秀岳館
○北海vs秀岳館
北海はエースで主将の大西がここまで3試合連続完投中。強打の秀岳館打線に対する。ここまでエースの奮闘で勝ち上がってきたように見えるが、北海打線も甲子園に来てからノリに乗っている。大西が受けた左手死球の影響で2戦目の3回戦より4番から8番になり、打順を変更しているが、流れができている。それを支えているのが不動の2番打者の菅野。初戦と準々決勝で4打数3安打。3試合で11打数7安打と打率は6割3分6厘と好調。5番に入る川村は甲子園で公式戦初めての2試合連続本塁打を放つなど、大一番にピークを持ってきた。3番の佐藤佑も5割8分3厘と好調だ。その好調な打線が、秀岳館の140キロ投手陣に挑む。
対する秀岳館は今夏、川端、田浦、中井の3人の左腕とエースナンバーの有村の4人がマウンドに立っている。3試合すべて継投だ。川端、田浦、有村は140キロを超える力のあるストレートで3試合すべて1失点に抑えている。相手がとらえそうになった頃に小刻みに継投し、的を絞らせない。しぶとい北海打線はどこまで食らいつけるか。
準々決勝の常総学院戦では天本、松尾の本塁打で試合を優位に進めた。松尾、原田の1、2番は攻撃力、機動力が高く、木元、九鬼、天本、廣部の中軸のスイングスピードも速い。下位ながらも堀江、木村は上位を打てる力を持っている。正面を突く内野ゴロでも相手守備陣が打球を後逸する場面もあった。北海は守りのミスを減らしたいところ。この試合はやはり北海エース大西vs秀岳館打線が一番の見どころとなるが、秀岳館投手陣vs好調北海打線という見方もできる。
いくつものドラマが生まれたこの夏の戦いは準決勝と決勝を残すのみ。心に残る試合を期待したい。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count