田中将大、消えた「右肘不安」の声 信頼度上昇「米国の調整法に慣れてきた」
二人三脚で歩んできた投手コーチは「3年目で米国の調整法に慣れてきた」
中4日で登板した10日(日本時間11日)のレイズ戦では、93マイル(約150キロ)を計測した速球は球威十分。スプリットも90マイル(約145キロ)が出るなど春先に比べると力強さが増した印象がある。
夏場以降は通常の登板間隔でも好結果が出ている。登板間の調整については、ブルペン入りの回数を増減させるなど、ロスチャイルド投手コーチと二人三脚で試行錯誤してきた。同コーチは「3年目で米国の調整法に慣れてきた部分もあるだろう」と見ている。
目標に掲げた200投球回も視野に入り、エースとしての信頼感も増してきた。サイ・ヤング賞に関してはインディアンスで15勝を挙げているコーリー・クルーバー投手を軸に混戦模様。勝ち星でやや見劣りする田中だが、チームがプレーオフに進めば貢献度で本命候補に躍り出る可能性もなくはないだろう。
チームが負けた直後の試合で6勝1敗、防御率1.70と好投し、田中が投げた試合でチームは9勝2敗。勝利への圧倒的な貢献度も見逃せない要素だ。勝利への貢献度を数値化したWARでも、クルーバー(6.3)、ホワイトソックスのクリス・セール(5.3)に続き、ア・リーグ投手で3位。米スポーツ局ESPNのダニー・ノブラー記者が「頼れるエースというべき存在に田中がなった」と評したように、地元メディアや周囲の信頼は増している。
予定通りにいけば、登板はあと4試合。好調を維持してプレーオフに導くことができれば、10月の短期決戦は世代交代を進める新チームのエースとして脚光を浴びる舞台となるはずだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count