日本とメジャーで送り出し方に違い 引退試合に見られるリスペクトの形

文化の違いで送り出し方にも違い

 今季、ヤンキースのアレックス・ロドリゲスは会見で引退という言葉を使わなかったものの、現役の最後の年となることを表明した。ここ数年、DHでの出場が主となっていて、引退試合となる最後の試合はサードとしての出場を嘆願したが、監督は即却下した。結果的にリードを奪い、勝利が近づいた場面でサードのポジションにつき、ベタンセスが奪三振で相手を抑えたところで途中交代した。

 引退を表明した選手に対してのリスペクトはあるが、どんなときでも勝利第一であるというメジャーリーグにおける典型的な例だろう。監督も選手の希望は尊重し、真剣勝負の中で生まれた守備の機会をしっかりと与えた形にはなったが、僅差の試合であったら最後の”配慮”は生まれていなかったかもしれない。

 それに対して、功労者への最大限のおもてなしとして一打席の”引退試合”を行い、花束を贈呈して球場全体で送り出すというのが日本流。文化の違いがあるため、送り出し方の違いがあるのは当然であり、それぞれの良さが存在する。

 どちらにせよ、引退試合をしてもらえる選手が素晴らしいキャリアを歩んできたことに変わりはない。今年もまた、素晴らしい成績を残してきた名選手たちがグラウンドを去っていく。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」新川諒●文

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