即戦力か育成か― いよいよ20日ドラフト会議、各球団の狙いは?
DeNAも即戦力投手がターゲットか、巻き返し図るBクラス球団は?
〇DeNA
初のクライマックス・シリーズ進出は昨年までの中畑清監督の若手積極起用と、日本の野球を良く知るラミレス監督の采配が大きかった。野手はロペス以外のレギュラークラスは20代。本塁打、打点の2冠の筒香は地元横浜の高校(横浜高)出身で、人気実力を兼ね備えるスター選手となった。投手陣も11勝の山口を軸に、2年目左腕の石田が9勝。新人今永が8勝と近年のドラフト戦力がはまっている。もう1ランク上を行くためには外国人投手を含めた先発投手陣の強化になる。ドラフトでは例年通りの即戦力投手の指名が有力だが、地元密着型を目指している球団でもあるため、神奈川大など県内の大学、横浜高など市内の高校に通う選手の指名も十分に考えられる。
〇阪神
今年の先発陣はメッセンジャーの12勝、岩貞の10勝に続き、能見が8勝、藤浪が7勝止まり。阪神もやはりローテ投手が必要か。ただ昨年も投手不足を露呈し、投手指名方針と見られていたが、明大の安打性製造機こと高山を指名し、ヤクルトとの競合の末、獲得。見事に球団の新人安打記録を塗り替える活躍を見せた。鳥谷の不振で北條も台頭。内野手も補強ポイントであるため、他球団が投手に目が向いているスキを見て、巧打の内野手獲得があるかもしれない。
〇ヤクルト
昨季のリーグチャンピオンがまさかの5位。2桁勝利は一人もいなかった。ドラフト1位の原樹理は開幕ローテ入りしたがケガに泣き2勝止まり。由規は育成から復活し、来季への期待値は大きい。背番号18の杉浦も巻き返す可能性は十分にある。左腕エース石川、ライアン小川が復活し、ここにもう1枚、即戦力右腕と外国人投手が加われば強力打線とかみ合い、上位進出への期待も膨らむ。
〇中日
今年は投手力、打力ともに持ち味を発揮できず、最下位に沈んだドラゴンズ。大野、若松の7勝がチーム最多だった。投手陣の中でも高卒新人ながら12試合に先発登板して2勝した小笠原慎之介の奮闘ぶりが光った。高校生はプロとしての体が出来上がる前にマウンドに上げてしまうと体に負担が出るが、小笠原は体の強さも1軍レベルだった。高校生ながら即戦力となった小笠原のように、力のある高校生投手の指名も考えられる。ただ、大島や平田という主力がFA権を持っており、その動向が指名に影響しそうだ。