鈴木の牽制死、澤村の途中降板…村田の男気を生かし切れずに巨人が終戦

9回にサヨナラ勝利の絶好機を迎えるも、代走・鈴木がまさかの牽制死

 サヨナラ勝利でファーストステージ突破が濃厚になった9回裏無死一塁、巨人のチャンスは一瞬にして暗転した。

 3-3の同点で迎えた9回、先頭の3番村田が遊撃内野安打で出塁し、サヨナラ勝ちの絶好機を迎えた。ここで代走に今季盗塁成功率100パーセントを誇る“足のスペシャリスト”鈴木が送られたが、DeNA左腕・田中の牽制球で刺された。

 初回、阿部の先制2ランの足掛かりとなるレフト前打を放った村田は、4回の第2打席でDeNA先発左腕・石田の内角低めを避けきれず。速球を左膝に受けて悶絶した。骨折も危ぶまれるほどのアクシデントだったが、ベンチ裏で治療を受ると、気力でゲームに復帰。6回には「フォークを多めに投げていたので、右足に体重を残して振り切った」(村田)と起死回生の左中間席に飛び込む同点アーチを掛けている。

 その村田が、9回に足の痛みに耐えながら激走した男気を生かせなかった。敵将ラミレス監督は「カウント1-1になって、光山(バッテリー)コーチから、あの場面は2度牽制球を入れてほしい、という進言があった。いいサジェスチョンだった」と作戦を明かす。代走でチャンスを広げるはずだった一塁上の鈴木は、2度の牽制でスタートの雰囲気を感じ取ったマウンド上の田中に、見事に逆を突かれた。

 レギュラーシーズン中は失敗とは無縁だった鈴木の牽制死。延長11回には、澤村が投手強襲打を右足甲に受けて降板。ファイナルステージ進出が懸かったこの一戦が今季最終試合となった巨人には、悪夢の連続の幕切れとなってしまった。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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