広島、依然リードも采配裏目で手痛い敗戦 終盤の大谷の打席が鍵に

今季は采配がズバズバと的中してきた緒方監督だったが…

 広島が25日の日本シリーズ第3戦(札幌ドーム)で日本ハムにサヨナラ負けを喫した。今季限りでの引退を表明している黒田博樹投手が6回途中1失点と力投したが、救援陣が終盤に粘り切れなかった。

 采配面での迷いが敗戦につながったか。今季、講じた策がズバズバと的中し続けてきた緒方監督だが、この日ばかりは後手にまわった。

 1点リードの8回だ。投手はセットアッパーのジャクソン。2死二塁でこの試合2本の二塁打を打っている大谷を敬遠した。結果的にはこれが失敗。続く中田に左翼へ打たれた。レフト松山はスライディングキャッチを試みたが、捕球できず、長打に。一気に逆転を許した。

 せめて前で止めていれば、同点で済んだ場面。松山の必死のプレーは攻められないが、ベンチにはまだ赤松、野間といった守備力に長けた外野手が残っていた。8回だったことも考えれば、守備固めを起用する選択肢もあった。

 そして延長10回。2死一塁、打者・大谷。カウント1ボール1ストライクからの3球目に西川に二盗を許した。一塁が空いたが、ここでベンチは大谷との勝負を選択。続く4球目で大谷に一、二塁間を抜かれ、勝負が決した。結果論だが、この選択も裏目に出てしまった。

 まだ2勝1敗でリード。有利な状況は変わらないが、大谷を勢いに乗せ、中田も目覚めさせてしまった。紙一重の戦いが続く中、手痛い敗戦となった。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY