【U-23W杯】好調日本打線を牽引するリードオフマンと主砲 つなぐ意識が生む安定感
点ではなく線として次打者につなげる基本の徹底
代表チームが集合したのは1週間前。世代を代表する打者が集まる中、斎藤雅樹監督が頭を悩ませたのは「1、2番(打者)をどうしようか」ということだった。練習試合2戦を経た結果、「調子自体もいいし、非常に出塁率が高い」と、武田をリードオフマンで起用。開幕から2戦連続で縦横無尽の活躍を見せる武田に「今、(起用が)成功しているってことですね」と相好を崩した。
もう1人、ピタリと起用がハマっているのが、4番に座る真砂だ。初戦は第1打席に四球で出塁し、先制ホームを踏むと、3打数2安打1打点2得点と勝利に貢献。2戦目には5打数4安打4打点2得点を記録。わずか2試合だが、打率は.750。連日、得点圏に走者を置いた場面での勝負強さを見せつけている。斎藤監督は「チームのムードメーカー的なところがある。非常に明るいし、それがいい方に出てくれればいい」と期待を込めて主砲に据えたが、見事結果を出した。
1番打者の武田同様、真砂が意識するのも打線の流れだ。「4番にこだわりはありません。4番目に打っているだけ。打線としてつながるように、点を取っていきたい」と、気負うことなく「つなぐ」意識を持つことで打線に活気をもたらしている。派手さは求めずに、点ではなく線として次打者につなぐ基本の徹底が、結果として1番と4番の安定感を生み出した。
出塁して攻撃のトーンを決める1番、出塁した走者を返して次打者につなぐ4番。同じ意識を持った2人の働きは、3戦目以降も日本打線のカギを握ることになりそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count