ハム吉川、G大田らは新天地で輝けるか? 近年成立のトレードに見る明暗
トレードに輝いた捕手、明暗分かれた14年途中のトレード
移籍直後の6月16日・DeNA戦では逆転3ランを放つなど好調を維持。その後は成績を落としたものの、前年の8試合から40試合と出場数を伸ばした。今季は負傷などもあり、34試合で打率.207、1本塁打、8打点にとどまったが、切り札的な存在として代打に送られる場面は多かった。
近年では市川友也捕手もトレード後に輝いた一人だろう。13年オフに金銭トレードで巨人から日本ハムに移籍。巨人在籍5年で9試合の出場にとどまっていたが、移籍初年度の14年に71試合に出場すると、昨季は43試合、今季は71試合に出場した。今年の日本シリーズでは第5戦で初スタメンマスクをかぶり、好リード、好捕を披露。打席でも1試合で3つの犠打を決めて勝利に貢献した。
14年のシーズン途中で成立した交換トレードでは明暗が分かれたものもあった。開幕直後の3月31日に増渕竜義投手が日本ハムへ、今浪隆博内野手がヤクルトへと移籍。増渕は同年、06年高校生ドラフト1位でプロ入り以降初めて1軍登板なしに終わると、15年も出番がなく、オフに戦力外となり引退となった。一方、今浪は移籍1年目で13試合の出場にとどまったが、翌15年は68試合に出場。プロ初本塁打を放つなど、打率.317、2本塁打、13打点でヤクルトのリーグ優勝に貢献。今季も負傷や体調不良に苦しみながらもキャリア最多の94試合に出場し、打率.279、1本塁打、28打点をマークしている。
同じく14年シーズン途中には大型トレードが成立。ヤクルトが川島慶三内野手、日高亮投手、ソフトバンクが新垣渚投手、山中浩史投手を放出する決断を下した。そのトレードで最も出番を増やしたのは山中だ。昨季はプロ初勝利を含む6勝を挙げ、リーグ優勝に貢献。ただ、今季はキャリア最多の22試合に登板し、同じく6勝を挙げたが、12敗と黒星もかさんだ。一方、新天地で復活を期した新垣は制球難に苦しみ、今季は通算100暴投に到達。今オフに戦力外となった。ヤクルトでは通算24試合に登板し、4勝12敗と大きく負け越す結果となっている。