今季は豊作とならず…浮沈のカギ握る存在、パ全球団の外国人選手の成績は?
楽天ゴームズは4月に退団、3割打者と2桁勝利者はなし
楽天ではウィーラーが27本塁打。4番として支え、チームのムードメーカーとしても存在感を示した。投手陣ではミコライオが45試合に登板し防御率2.38。守護神・松井裕の前を務める勝利の方程式の一角を担った。だが、ブリガム、リズが未勝利、メジャー162本塁打の実績で入団したゴームズは4月中に帰国と想定外の事態も発生。チーム成績は5位。3年連続のBクラスだった。
最下位のオリックスは投打ともにふるわず。中軸として期待されたモレル、ボグセビックはそれぞれ8本塁打、3本塁打。首位打者、本塁打王の獲得実績もあるブランコも3本塁打に終わった。投手陣も守護神を任せたかったコーディエが防御率7.30。先発のディクソンはローテを守り抜いたものの9勝止まりだった。
外国人選手の存在は、本人の当たり、外れだけで片付けられない部分もある。まず、1軍に登録できる外国人選手は4人までというルールがある。さらに、その4人を打者、もしくは投手だけで固めるのも禁止。2009年にオリックスがローズ、カブレラ、ラロッカ、フェルナンデスという長距離砲を4人集めて話題となったが、この時はローズが国内FA権を取得し外国人枠を外れていたため、問題がなかった。だが、そんなケースはまれ。適材適所な補強が必要になってくるから、スカウトする各チームの渉外担当にかかる責任は重大だ。
苦労を重ね、自信とプライドを持って獲得してきた選手であるからこそ、現場としてはまず、ある程度の我慢は覚悟で使い続ける。仮にその時、絶好調な日本人選手が同じポジションにいたとしても、だ。だが、それが全くの鳴かず飛ばずで終わる場合もある。我慢の限界で、あの時の絶好調選手をスタメンに抜擢してみたらこちらも当たりがなくなっていた、と歯車がかみ合わなくなったケースは、過去幾度もあるだろう。現場の監督は、そのあたりの見極め、マネジメント力も求められる。
2016年、総合的にみると、パ・リーグでは本塁打数の上位3人(レアード、メヒア、ウィーラー)は外国人が固めたが、3割打者、2桁勝利者がひとりもおらず、豊作とは言える年ではなかった。強力な助っ人がひとりいるだけで、チーム状況も大きく変わるプロ野球。来季の頂点を目指し、各球団がどんな人材をそろえてくるかにも注目していきたい。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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「パ・リーグ インサイト」編集部●文