日米の最終決戦に違い 日本SとWS、それぞれのスポンサーの関わり方とは
メジャーでは癌患者を支える企画も
一方、ワールドシリーズでは多くのスポンサーが独自のアクティベーションを行っている。すでに5回目の実施ではあるが、飲食チェーンのタコベルは”Steal a base, steal a taco (塁を盗めば、タコスを盗める)”というプロモーションを行っている。ワールドシリーズ中に選手が盗塁すれば、タコベルを訪れるお客さんには無料でタコスが1つプレゼントされるという嬉しい企画だ。
このプロモーションは選手も認識しており、クリーブランド・インディアンスのフランシスコ・リンドーは盗塁を決めた第1戦後に自身のツイッターで”これまで決めた中で最高の盗塁の1つ”と呟き、タコベルのアカウントもタグ付けしたツイートを発信した。これはタコベルにとってはうれしい誤算で、選手からもプロモーションされ、SNS上でも盛り上がりを見せた。
クレジットカードの国際ブランドであるマスターカードは、シカゴでの第4戦時に来場客全員にスマートフォン用タッチパネル対応手袋をプレゼントした。寒いシカゴでの試合に訪れるファンにとっては非常にうれしいプレゼントだ。さらにマスターカードはSU2C (スタンド・アップ・トゥ・キャンサー)との取り組みで試合前には寄付金の贈呈、そして5回にはファンだけでなく、選手、コーチ陣がサインボードに身近で癌と戦う人の名前をつづり、その方々を称える時間を設けた。
SU2Cとは癌に対して新たな治療法を患者に届けるべく、研究を加速させるための資金を募る慈善団体である。真剣勝負のひとときではあるが、誰もが目の前で繰り広げられている戦いよりも大事なことを考えさせる時間となり、非常にインパクトがあり、印象に残るスポンサーの関わり方である。