球界は「打てる捕手」不作の時代 90年以降でシーズン20発を放った捕手は?

今季の規定打席到達者は小林のみ…かつての「打てる捕手」の成績は?

 シーズン終了後に行われた侍ジャパンの強化試合で“捕手不足”が露呈したように、今の球界では「打てる捕手」が消えつつある。今季、セ・リーグの捕手登録での最多本塁打は巨人・阿部慎之助の12本。だが、阿部は右肩痛のため、1軍に昇格したのは5月末だった。復帰戦でいきなり本塁打を放ったのは見事だったが、今季は一塁手として出場していた。続くのは阪神の原口文仁の11本。パでは10本塁打の西武・森友哉が最多。こちらも正捕手ではなかった。規定打席に到達したのは打率2割4厘の巨人・小林誠司だけだった。

 かつては、日本一になるチームには必ず正捕手がいた。しかし、投手分業制が進んだ現在では、捕手も投手によって起用されることが多くなったようにも見える。今年日本一に輝いた日本ハムも、大野奨太と市川友也の2選手が主に先発マスクをかぶり、セ優勝の広島も石原慶幸、會澤翼が起用された。

 打てる捕手の減少と重なり、その立ち位置も変わってきている。打率2割8分や本塁打20本をマークすれば、球界屈指の捕手としてその名は球史に残る。だが、2013年に阿部が32本塁打を放って以降、3年連続で20本塁打以上を記録した捕手は現れていない。今の時代なら打率2割5分、15本塁打を打ってくれれば御の字という雰囲気もある。

 90年代以降は多くの「打てる捕手」が存在した。

◯古田敦也(ヤクルト)

 入団2年目の1991年には打率3割4分で首位打者を獲得した。3年目の1992年には30本塁打を記録。野村克也監督の下で帝王学を学び、卓越したリードも身につけて球界最高の捕手と言われるほどになった。20本塁打以上は4度。ヤクルトでクリーンアップを担った。

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