メジャーに広がるイチローの流儀 パイレーツ期待の新人が肉体改造に着手

「身体の在り方に気を配る」新人内野手ベルがヨガ教室などで肉体改造

 マーリンズのイチロー外野手にとって、2016年シーズンはメジャー史上30人目となる3000本安打の偉業を達成したり、前年の打率.229から打率.291まで見事なV字回復を遂げたりと、メジャー最年長野手となってもなお健在な姿を印象付ける1年となった。フィールド上でのパフォーマンスのみならず、ストイックなプロ意識の高さも評価される背番号「51」が、マーリンズの若手選手にグランド内外で与える影響力の大きさはよく知られるところだが、どうやら対戦相手にも最高の手本となっているようだ。地元紙「ピッツバーグ・ポスト・ガゼット」が報じている。

 メジャー最年長野手イチローの一挙手一投足は、パイレーツの新人ジョシュ・ベル内野手を魅了したようだ。記事では「2016年にイチローと対戦した経験を通じ、ベルはフィットネスや継続することの重要性を学んだ」と、今季デビューしたばかりの24歳が受けた影響について伝えている。

 7月8日のカブス戦でメジャー昇格を果たしたベルは、8月19日から始まったマーリンズ3連戦でイチローと初めて対峙した。イチローは19日には途中出場、20、21日の両日に先発し、3連戦はすべてでグラウンドに立った。一方のベルは19日はベンチに控え、20日に途中出場した後、21日に先発出場。この時、自軍ベンチから見たイチローの姿に多くのことを学んだという。

「(マイナーにいる時は)メジャーに上がるんだ、メジャーに上がるんだ、メジャーに昇格すれば、そこにトンネルの終わりはあるって、自分はただそればかり考えていた。でも、いざメジャー昇格を果たしてみると、自分はまだスタート地点に立ったに過ぎないと分かった。いかに強くバットを振るかじゃなくて、自分の身体の在り方について、もっと気を配ってみることにしたんだ。(技術やパワーだけではなく)身体全体のことに注意を払ってみようとしているんだ」

メジャーデビュー翌日の7月9日カブス戦、前日の代打出場に続くメジャー2打席目で満塁ホームランを放ったベルは、通算45試合に出場し、打率.273、3本塁打、19打点という成績で今季を締めくくった。来季はさらなる飛躍が期待される24歳は、イチローから得た気付きをヒントに、このオフは肉体改造に取り組み、ヨガなどの教室にも通っているという。一流選手の在り方に刺激を受けたベルは、来季どんな活躍を見せてくれるのか、目が離せない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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