17年大ブレイクの予感 糸井が「ヤバい」と驚くオリックス「小さな巨人」

台湾WLで3冠王に輝いたオリの希望、T-岡田超えの可能性秘めた「小さなアーチスト」

 2017年、大ブレイクの予感だ。オリックス・吉田正尚外野手。青学大から15年ドラフト1位指名でオリックスに入団。173センチ、80キロと小柄な体からは想像もできないスイングを見せる。阪神にFA移籍した糸井が「アイツはヤバい」と驚いたのも無理もない。

 ルーキーイヤーの今季は「1番・DH」で開幕スタメンデビューを果たすと、新人では1981年の巨人・原辰徳らに並ぶ開幕6試合連続安打を記録。その後、腰痛で戦線離脱したが、復帰した8月中旬からプロ初アーチを含む10本塁打を一気に量産。打率.290、34打点をマークし、チームのルーキーでは1985年以来、31年ぶりの2ケタ本塁打となった。その勢いは、オフにウエスタン選抜として参加した台湾ウィンターリーグで一層加速。打率、本塁打、打点で3冠王を獲得し、ほかの若手との圧倒的な力差を見せつけた。

 小さな体から繰り出される放物線はまさにホームランアーチストそのものだ。打撃だけを見れば和製大砲・T-岡田を上回る能力を持っている。ただ、1軍のレギュラーに定着するためには「打」以外の「守」「走」が必要になってくる。高知・東部球場で行われた秋季キャンプでは連日、ノックを受ける吉田正の姿があった。福良監督は「打つ方はケガさえなければ素晴らしいものを持っている。あとは守備。シーズン中に比べれば格段に進歩しているけど、まだまだ」と厳しい言葉を並べている。

 チームの生え抜きで30本塁打以上を放った選手は2010年に33本でホームラン王を獲得したT-岡田以来、現れていない。2016年は最下位に終わり、1996年以来、12球団で最も優勝から遠ざかっているオリックス。吉田正の豪快なスイングには夢と希望が詰まっている。

【了】 

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY