WBC回避の大谷翔平が苦しむ足首痛 専門家が語る完治に必要なこととは?

「有痛性三角骨障害」と見られる大谷の故障、なぜ発症してしまったのか

 日本ハムの大谷翔平投手が右足首痛で3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を欠場することが決まった。その症状から「有痛性三角骨障害」と見られている。サッカー元日本代表MF中村俊輔(ジュビロ磐田)もかつて同じ痛みに苦しみ、除去手術を受けたが、この故障が発症するメカニズムについて、中村のパーソナルトレーナーを務める入船しんもり鍼灸整骨院の新盛淳司院長が解説してくれた。

「大谷選手の足首の怪我は、有痛性三角骨障害と見られています。三角骨とは、足首の距骨(きょこつ)という骨の後方にあります。すべての人にあるわけではなく、一定割合の人にしかありません。過剰骨と呼ばれたりもします。距骨の後側には、外側と内側に結節と呼ばれる隆起があります。一般的に外側の方が隆起が大きいのですが、通常は小学生の頃に距骨本体とくっつき一体化します。何らかの原因で癒合しないままになる場合があります。癒合しなかった状態が三角骨となり、その三角骨付近が痛むことが、有痛性三角骨障害と呼ばれます」

 新盛院長は耳慣れない症例についてこう解説した。そして、三角骨障害が起きる原因については「足首を急激にひねるなど一度に大きな負荷がかかったことによるもの。足首に過度なストレスが繰り返しかかり、オーバーユースにより痛みが起こるものがあります。繰り返しストレスにより、骨棘と言われる骨の先が尖った状態になり、周囲の組織を挟み込み、痛みが起きやすい状態になることもあります。サッカー選手やバレーダンサーや新体操の選手など、つま先を伸ばしてプレーをする競技に多く見られる症例です」と分析している。

 磐田移籍後も新盛院長がサポートすることになる左利きの名手、中村も同じ症例に苦しんだ。

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