イチロー同僚捕手がWBC米国代表辞退で挑む新境地「残ることが得策だと考えた」
昨季飛躍を遂げたリアルミュート、WBC辞退は「双方の決断だった」
イチロー外野手が所属するマーリンズで昨季レギュラーに定着したJ.T.リアルミュート捕手。メジャーデビューから3年目のシーズンでキャリア最多の137試合に出場し、打率.303、11本塁打、48打点、12盗塁と好成績をマークした。飛躍を遂げた25歳の捕手がWBC(3月開幕)米国代表の招集を辞退せざるを得なかった事情に言及している。球団公式サイトが報じている。
マーリンズからは主砲のジャンカルロ・スタントン、クリスティアン・イエリッチの両外野手が米国代表入り。一方でリアルミュートは晴れ舞台への出場を断念した。同捕手は記事の中でその理由について「これは(球団と自分自身)双方の決断のようなものだった。我々はチームに残ることが得策だと考えた。打撃練習をして、一塁の練習もする。WBCではおそらく自分は3番目の捕手になる。そうなると多くの打席数は回ってこないし、プレー時間も多くない。球団にとっても、自分にとってもここに残ることがベストかもしれない」と語っている。
記事ではリアルミュートが高校時代にアメリカンフットボールのクォーターバックと遊撃手の“二刀流”として活躍しながら、マーリンズ入団以降、メジャー屈指の捕手へと成長していることを紹介。一方で、今季は左投手相手の打率が極端に低いジャスティン・ボーアを補うために、一塁も兼務する可能性があることにも触れている。また、米国代表の捕手としてバスター・ポージー(ジャイアンツ)、ジョナサン・ルクロイ(レンジャーズ)に次ぐ3番手に位置していたことも辞退の理由として挙げており、その結果、同じマーリンズ捕手のA.J.エリスが招集されることになったこともレポートしている。
リアルミュートは記事の中で「正直に言うと、一塁の守備を学ぶことはキャッチャーの仕事を学ぶくらい大変だと思っている。習得できればいいね」ともコメント。一方、マーリンズのドン・マッティングリー監督も「JTにはキャッチャーの準備をしっかりとさせる。それが第一だ。キャッチングの部分で劣化するようなことはないように。しかし、彼には一塁手としてもプレーできる運動能力とエネルギーがあると考えている。スプリングトレーニングで取り組めたらと思う」と期待を寄せているという。
米国代表を辞退し、新境地に挑もうとしている25歳。迎える新シーズンで一塁手としても才能を開花させるのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count