角中の2番起用も? 得点力不足解消へロッテ伊東監督が続ける試行錯誤
8回、大嶺翔のバスターエンドラン成功で1得点
一つでも先の塁を目指し、貪欲に1点を獲りにいくーー。今季のロッテ野球の姿が紅白戦で見えた。17日の紅白戦では、紅組(1軍)と白組(2軍)でサインを変えて、積極的に選手を動かした。
象徴的だったのは、8回の紅組が攻撃した場面。2者連続四球で無死一、二塁とすると、大嶺翔太がカウント1-1から3球目でバスターで打球を左前に運び、エンドランを成功させた。大嶺翔は9回にもタイムリーを放ち、2安打で3打点の活躍だった。
送りバントやバスター、ヒットエンドランなど、状況によって数々のバリエーションが生まれるが、そこには「一つでも先の塁へ(進めたい)。早い段階から意識させて、こういう形で点を獲るということを、チーム内に浸透させたい」(伊東監督)という狙いがある。
昨季のチーム本塁打数はリーグ最少の80本だった上に、チーム最多24本塁打だったデスパイネが抜けた。パラデス、ダフィーの両新外国人は未知数で、まだ評価の段階ではないが、紅白戦では両選手とも無安打に終わった。「外国人はそのうち結果が出ますよ」と話す指揮官は、この日、昨季首位打者の角中を2番打者で起用。「(両外国人次第では)角中の2番もありかな、という感じ」と得点力アップに向けて試行錯誤を続ける。
1点でも多く奪える打線を作るため、指揮官は持てる力の全てを動員する構えを見せている。
【了】
細野能功●文 text by Yoshinori Hosono