ソフトBドラ1田中が迎えた最初の試練 野手陣から指摘された課題とは…

12日のシート打撃、17日のブルペン投球で制球に課題

 プロの壁にぶち当たっている。ソフトバンクのドラフト1位ルーキー・田中正義投手。宮崎キャンプ第4クール2日目の17日、プロ初の連投となったブルペンで53球を投げ込んだ後に、思わぬ言葉が口を突いた。

「空想じゃなく、ちゃんと現実としてある。厳しい現実が。かなり感じています。実戦から離れて、捕手が座って、打者が立って(ピッチングを)やると、やっぱりダメか、と。このままでは通用しない可能性が高い」

 12日のシート打撃。打者7人と対戦し、安打こそ許さなかったが、2つの四球を与え、制球に課題を残した。そして、この日のブルペン。カーブ、スライダー、カットボール、フォークと変化球を織り交ぜての投球だったが、53球中、実に33球がボール球。コントロールが、まとまってこない。

 そして、もう1つ。シート打撃後に、野手陣から指摘されたというポイントがあった。「変化球の時に、腕が緩んでいた。課題はそこかな、と」。ストレートを投げる際と、変化球を投じる際に、腕の振りのスピードに違いがあったのだ。

 この日のブルペンでは、変化球の時の腕の振りに意識を置いた。「昨日よりは良かった。今日は腕を振れるようになりました。投げる中で足りないところがようやく分かってきた」といい、受けた甲斐拓也も「腕は振れるようになっていたと思います」と変化を感じた。

「今の僕に細かいコントロールはないけど、このままだったら、マウンドに立つ状況にないと思う」と現状を受け止める。19日には初の紅白戦に登板予定。「痛いところはないので、たくさん練習します」という田中。ただでさえ、層の厚いソフトバンク投手陣。生き残りに向けて、最初の試練の時を迎えている。

【了】

福谷佑介●文 ext by Yusuke Fukutani

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