レーサー、料理番組MC、起業…日米で対照的な野球選手の“第2の人生”

日本は指導者・解説者が王道も…米国の“第2の人生”が多彩なワケ

 2015年7月28日を最後にメジャー登板がなかったCJ・ウィルソンは野球選手としてのキャリアに終わりを告げ、レーサーになることを公言した。

 すでに2010年から自身のレーシングチーム「CJ・ウィルソン レーシング」を所有していたウィルソンは車のディーラーのオーナーも務めており、14店舗を所有している。これまではマウンド上から1キロでも速い球を投げることに全力を尽くしてきた男がレーシングコースで誰よりも速く、前に進むためにハンドルを握る。

 オールスターに2度選出されたスターのセカンドキャリアには多くの注目が集まるが、その陰では多くの名も無き第2の人生も存在する。ニュースにもならず、話題にもならず、静かに新たな人生の一歩を踏みだす。それぞれのセカンドキャリアの道はいろんな方向へ枝分かれしている。日本に比べ全体数も多いのは当たり前だが、“野球選手”に対する先入観が少ないためか、可能性も多く広がっている。

 2016年のシーズン終了と共に野球人生にピリオドを打ったプロ野球選手たちのセカンドキャリアに目を向けると、多くが野球に携わり続けている。限られたイスを毎年引退した選手たちが争っている構図になる。球団職員、裏方、解説者、野球評論家。北海道日本ハムファイターズで現役を引退した武田勝投手は独立リーグ・石川ミリオンスターズのコーチ兼フロントを務めるなど、野球界でのセカンドキャリアの裾も広がっている。

 米国でも現役引退後、野球を仕事にしている者は多く存在する。ニューヨーク・ヤンキースで現役を終えたマーク・テシェイラ、さらには元ヤンキースのニック・スウィッシャーも野球アナリストとしてテレビの世界に入ることが発表された。米国では全国ネットだけではなく、地元放送局が試合を日々放送するため、それだけ需要もある。

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