ドラフト1位続々輩出 センバツV候補・履正社の強さを生み出すモノ
押し付けず考えさせる指導法、選手にも浸透「野球を細かく考えてやる」
主に指導は岡田龍生監督(55)を中心に、松平一彦コーチ(39)、多田晃コーチ(38)ら若い指導者が日々、行っている。そこには移り変わる時代背景に沿った指導法がある。
シートノックなどの練習ではとにかく状況を突き詰めて、選手たちに考えさせる。一歩先ではとどまらず、二歩、三歩、さらにその先までのことを想定して指示を出す。選手たちにも「野球を細かく考えてやるのが僕たちのスタイルだと思います」と浸透しているからこそ、個人練習でも自分に何が足りないかを徹底的に考えることができるという。
練習であらゆる場面を想定しておけば、試合でも細かいところまで気付くことができる。何度も練習を止めて、考える時間を与えている。熱血指導でも上から押しつけるのではなく、今の高校生に合った指導法なのかもしれない。時間に制限があっても、練習の濃さが勝負。新チームになるとどうしても組織力は落ちてしまう。そこから連携プレーのミスなどが生まれ、失点につながる。履正社の強さの裏には個々の能力が高いだけではなく、弱点を消す徹底ぶりがあった。
初出場した1997年以降、着実に力をつけている同校。最高成績は2014年のセンバツの準優勝。過去15年、明治神宮大会の覇者がセンバツの頂点に立っていないという「ジンクス」がある。それを打ち破る組織力が今年のチームには十分にありそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count