「僕の中にはきれる感覚はない」 侍・筒香、技術が凝縮された2戦連続弾

右翼ポール際へ、またもダメ押し弾で2連勝に貢献、中田のV弾で「乗って打てた」

 野球日本代表「侍ジャパン」は8日、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド第2戦でオーストラリア(東京ドーム)と対戦。4番の筒香嘉智外野手(DeNA)が2試合連続となるダメ押し弾を放ち、日本は4-1で勝利した。

「中田さんがホームランを打ってくれて、重い空気が一気に変わった。それに乗って打てました。青木さんも粘り強く出塁してくれた」

 主砲は冷静に味方のお膳立てのおかげであることを強調した。1-1の7回に中田が勝ち越しソロ。続く8回は2死無走者から、3番の青木が2ストライクと追い込まれながらも四球で出塁。そして筒香だ。カウント2-2から内角へのチェンジアップを強振すると、打球はファンの大歓声に後押しされて右翼席に突き刺さった。

「(スタンドに)行ってくれたらいいな、という感じでした」

 際どい内角球をさばいての技ありの一発。ファウルになってもおかしくないコースだったが、「僕の中には(ファウルゾーンに)きれる感覚はない」と平然と言い切る。対戦した豪州の左打者は、内角球を引っ張ってのファウルを連発していたが、筒香にはフェアゾーンに打ち返す技術がある。仕留める能力の高さこそ、筒香の大きな武器ともいえる。

「1回に僕が打っていたら、もっと流れはよかった」。初回、1死二、三塁のチャンスに空振り三振を喫した屈辱を吹き飛ばす価値ある2戦連発。中田とのアーチ競演も実現し、4万1408人の観衆は侍ジャパンの逆転勝利に酔いしれた。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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