ロッテ開幕投手・涌井が“らしくない”投球 伊東監督も「ちょっと寂しいね」
DeNA戦に先発、3回6安打3失点
3年連続開幕投手の大役を担うロッテの涌井秀章投手には収穫の乏しい先発になった。
5日の中日戦では2回を1安打無失点と上々の発進をしたが、11日のDeNA戦は3回75球で6安打3失点。試合後、伊東監督も「開幕投手にしては、ちょっと寂しいね。打たれるとか、抑えるとかいうことじゃなくて、全体的に間合いも長く、テンポが悪すぎた」とすっきりしない表情を浮かべた。
初回先頭の桑原に141キロのストレートを右前打、田中に左翼線を破られる連打を浴び、梶谷を歩かせて満塁。ロペスにあっさり右犠飛を許した。2回には1死から乙坂を歩かせ、桑原には2打席連続安打。二盗も許し1死二、三塁で田中には膝元に落ちる変化球をひろわれて左前に2点適時打とらしくない投球に終始した。
リリースポイントがしっくりこないのか、マウンド上では何度かシャドーピッチングを繰り返した。山口審判のストライクゾーンは狭く「変化球でカウントをかせげず、真っすぐを打たれる状況だった」と涌井。勝負球は甘くなった。
狙った時に三振をとれるようにと、前回の中日戦から4年振りにフォークを解禁。この日も初回に1球投げているが、涌井自身はやはりタテと横のスライダーを状況に応じて握りを変えながら、どう使い分けるかをポイントに置いている。2回の田中の2点タイムリーはそのタテのスライダーのようだが、開幕まで残りのオープン戦ではいかに精度をあげていくかがテーマになる。
「宮崎にはしっかりいい球を投げられた。ストレート自体はいい球だった」と3回1死一塁でカウント1-2から空振り三振を奪ったストレートを自己評価。僚友石川がWBCで奮闘している。次回の登板は指揮官をすっきり安心させる内容が求められる。
【了】
細野能功●文 text by Yoshinori Hosono