プエルトリコ延長11回サヨナラで2大会連続決勝へ 蘭バレ大暴れも力尽きる

ビデオ判定4度&乱闘寸前&タイブレーク…4時間19分熱戦制す、侍J-米国の勝者と激突

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝が20日(日本時間21日)にロサンゼルスのドジャースタジアムで行われ、プエルトリコがオランダに4-3で延長11回サヨナラ勝利。タイブレークで最後はロサリオがサヨナラ犠飛を放ち、4時間19分の大熱戦を制して無傷の7連勝で2大会連続の決勝進出を決めた。オランダは2大会連続で準決勝敗退。日本は21日(同22日午前10時開始)に米国との準決勝に挑み、勝てば22日(同23日)の決勝戦で、前回大会の準決勝で敗れたプエルトリコと対戦することになる。

 オランダは初回、1死二塁からプロファーが右前打を放ったが、本塁へ返球されたボールをメジャーNO1捕手のモリーナがつかむと、ゆっくりとした動作から突然、一塁へ送球。一塁を回ったところで喜びを全身で表現し、ベースに戻ろうとしていたプロファーを刺した。ボールから目を切っていたプロファーは、満面の笑みから一転して呆然。思わぬ“珍プレー”となった。

 それでも、オランダは続くバレンティンが先制2ラン。“ミス”で漂っていた嫌な流れを払拭した。

 しかし、オランダの先発バンデンハーク(ソフトバンク)がリードを守れない。プエルトリコは直後の攻撃で1死からリンドアが二塁打で出塁。続くコレアが121キロのカーブをフルスイングし、左中間スタンドへの同点2ランとした。さらに、3回にはリベラがソロ本塁打。勝ち越しに成功した。バンデンハークは2回3失点で降板となった。

 4回以降は今大会の準決勝から初めて導入された本塁打判定以外でのビデオリプレーが“頻発”。5回には、オランダのバレンティンが2死から二塁打を放つと、一、二塁となってからザラーガが左中間を破る二塁打。バレンティンが同点のホームを踏み、一塁走者のスクープも本塁を狙ったが、好返球でアウトになった。微妙な判定でこの試合4度目のビデオリプレーとなったものの、覆らずにアウトで勝ち越しはならなかった。

 6、7、8回と両チーム無得点。オランダは9回、決勝ラウンドからオランダ代表に合流したドジャース守護神のケンリー・ジャンセン投手を投入。“宝刀”のカットボールを軸にわずか9球で3者凡退に抑える。試合は延長に突入し、10回にはバレンティンが顔付近への投球に激昂。両軍選手がベンチから飛び出す乱闘寸前の騒ぎになるなど、試合終盤まで気迫がぶつかり合う熱戦となった。

 試合は大会規定で延長11回からタイブレークに突入。オランダは先頭に代打を送り、バントで1死二、三塁とする。プエルトリコが満塁策を取ると、スミスは併殺で無得点に終わった。プエルトリコはその裏、2イニング目に入った元楽天ファンミルからモリーナがバントを決め、バエスは敬遠で満塁に。最後はロサリオがサヨナラ犠飛で2大会連続の決勝進出を決めた。

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フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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