日米の野球に「差」はない― 青木の言葉に隠されたヒントと世界一奪還への道
「いいところはアメリカの真似をしたい。でも、根本の自分はぶれないように」
最近は、日本の昔ながらの野球の指導方法や育成方法に、疑問を投げかけられることが多い。もちろん、根性論を小中学生に押しつけて未来ある才能を潰すことは間違っているし、勝利至上主義に走って子供たちから野球をプレーする楽しみを奪ってしまってもいけない。その一方で、今回優勝したアメリカや前回優勝したドミニカ共和国のやり方が全て正しいわけでもない。「野球」は「野球」として、日本人に合った形で発展していけばいいのでは、というのが青木の提言だ。
「日本流でいいと思います。僕らは日本人ですから、そこはベースボールになりきれない部分はある。元々はアメリカから野球=ベースボールっていうのは来たわけですけど、その国のオリジナリティがあっていいと思う。何もかも同じじゃなくていい。
実際に自分がこっち(アメリカ)でプレーしていても、そういうことを思いながらプレーしています。いいところはアメリカの真似をしたい。でも、根本の自分はぶれないように、日本人だっていうことは、プレーをしても意識していることです」
2012年にブルワーズ入りして以来、メジャーで6年目で5球団を渡り歩き、ワールドシリーズでのプレー経験も持つ青木。メジャーで生き残るために懸命にプレーしながら、ベースボールが持つ長所短所、日本の野球が持つ長所短所を肌で感じてきたからこそ、その言葉には重みがあると思う。