ダルが初開幕マウンドへ 過去シーズン初登板全勝、“歴代1位”奪三振率も注目

ダルビッシュがいよいよ開幕マウンドへ、過去のシーズン初登板は4戦全勝

 レンジャーズのダルビッシュ有投手が3日(日本時間4日)の本拠地インディアンス戦で自身初のメジャー開幕投手を務める。渡米6年目で任された大役。これまでもチャンスはあったが、コンディションの問題などもあり実現しなかった。今季終了後にフリーエージェント(FA)となる見通しの右腕にはサイ・ヤング賞投手の期待も高まっており、新シーズンの活躍に大きな期待が寄せられている。

 昨季途中にトミー・ジョン手術から復帰した右腕について、米メディアが注目した一つが投球内容の変化だった。地元紙「ダラス・モーニング・ニュース」電子版は先日、ダルビッシュについてこれまで打者を追い込んだ場面でスライダーやカーブの選択が多かったのに対し、昨年は直球を選択する機会が増加したことを紹介。「2ストライク後に直球を投じることが多くなっても、三振を奪う能力に何ら影響を与えなかった。逆に、より彼を予測不可能な存在とし、9イニングあたりの奪三振率はキャリアハイの2013年(11.89)に匹敵する11.84を記録した」と伝え、「奪三振の帝王」と評していた。

 野球専門の米データサイト「ファングラフス」によると、通算で600イニング以上投げている先発投手の中で、9イニング当たりの奪三振率は11.32(645回2/3)で歴代トップ。投球回に差はあるものの、上位にはランディ・ジョンソン(10.61=4135回1/3)やスティーブン・ストラスバーグ(10.55=924回1/3)らそうそうたる顔ぶれが並んでおり、渡米後もその奪三振率は際立っている。「ダラス・モーニング・ニュース」でも前述の記事の中で、2012年のデビュー以降の奪三振率がメジャートップとなっていることをレポート。2位は昨秋急死したホセ・フェルナンデス(マーリンズ)の11.25、3位はマックス・シャーザー(ナショナルズ)の10.69、4位はクレイトン・カーショー(ドジャース)の10.12となっていることを紹介していた。

 また、渡米後のシーズン初戦を振り返ると、勝負強さを見せている。メジャー1年目の2012年の初登板ではマリナーズに6回途中で5失点しながら勝利投手に。2年目はアストロズ戦で9回2死まで14奪三振で完全投球を見せながら最後の最後で安打を浴びたが、8回2/3を1安打無失点で白星をつかんだ。14年もレイズを7回7安打無失点に抑えて勝利。15年は右肘手術で棒に振ったが、シーズン途中で復帰した16年も初登板のパイレーツ戦で5回1失点で勝利投手となっており、ここまでシーズンの初登板では4戦全勝できている。

 今季、ヤンキースで3年連続となる開幕投手を任された田中将大はレイズ戦で3回途中で2被弾を含む8安打7失点と炎上。黒星スタートとなった。1日遅れで大役を務めるダルビッシュは期待に応える投球を見せられるか――。2017年の初登板が注目される。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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