中日・小笠原2軍監督が明かす、指導者としての強みと日の丸を背負った意味
豊富な経験も「勉強の毎日」と話す小笠原2軍監督
数々のチームでプレーし、日本代表としても戦った経験は、何物にも代えられない。その経験を選手たちに伝えている。
「経験した人と、していない人の言葉は違うと思います。逆に、自分でも経験していないこともありますから、正しい言葉が出るかどうかは、勉強中です。経験したことはそれに基づいて、なおかつ、かみ砕いて『彼らに伝わるのか。理解して行動に移してもらえるのか』ということを考えて、選手たちに接しています」
30歳を超えても2軍にいる選手もいる。1軍に上がったことのない選手もいる。1軍に上がっても、入れ替えで落ちてくる選手もいる。それぞれを把握しなくてはいけない、2軍監督ならではの苦労もあるという。
「コミュニケーションの取り方も選手によりますね。365日、全員に話しかけられるわけではないので、遠くから見て観察しているときもありますし、タイミングをみてコミュニケーションは取っています。メリハリはつけていますね」
ナゴヤ球場内には2軍PRのため、小笠原2軍監督のポスターが掲示されているが、これについて聞くと「恥ずかしいですね」とはにかんだ。
「ポスターになるのは、普通は選手で、2軍の監督というのはないですよね。ありがたいとだと思います。球団のPRになって、一人でも多くの人に球場に足を運んでもらえるように、出来る限りの協力はしていきたいと思っています」
質問にひとつひとつに丁寧に答え、自身が世話になった監督、そして現在、共にチームをまとめるコーチ陣への感謝の言葉を忘れない。数多くのチームで戦い、豊富な経験がありながらも「勉強の毎日」と話す小笠原2軍監督の姿は、1軍を目指し切磋琢磨する選手たちにも心強い存在になっているはずだ。
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篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki