ロッテ、ドラ1佐々木の好投見殺し…伊東監督「一つのプレーでこんな形に…」

佐々木好投もプロ初黒星

 ロッテのドラフト1位ルーキーを攻守で見殺しにした。

 2勝目を目指し、20日のソフトバンク戦に先発した佐々木千隼投手は7回104球5安打1失点。3者凡退の立ち上がりで、カーブ、スライダーを効果的に配し、3回1死一、二塁のピンチも今宮を138キロのシンカーで落ち着いて三ゴロ併殺に打ち取った。

 4回までわずか2安打の無失点投球。「(初登板の)前回よりストレートの質、スピードは良かった。まだ思い描いていた球ではないが、悪い中でもいいのかな。自分の場合、自然と動くボールで打ち取れていた。まだまだ、修正、反省、課題があるのでしっかり次回の登板まで直していきたい」

 ナチュラルにシュート回転するストレートで右打者の懐をえぐり、内角へのカーブで意表をついた。4回1死一塁ではデスパイネをキレ味鋭いスライダーで空振り三振。ルーキーらしからぬマウンドさばきで味方の援護を待った。

 しかし味方打線は序盤、2回の井口の右翼線二塁打1本のみで、バンデンハーグに4回までわずか1安打。5回2死一塁で中村晃の打球は何でもない左飛だったが、パラデスが目測を誤り(記録は二塁打)後逸する間に一塁走者の高谷が先制のホームを踏んだ。ルーキーには残酷過ぎる結末だった。試合は9回、大谷が3失点し、0-4と敗戦したが、ミスから奪われた先制点が重すぎた。

 佐々木はモーションを盗まれて本多に二盗を許す場面もあったが、間合いを変えるなど、修正もしている。「ルーキーに何とか勝ちをつけてあげたかったが、よく我慢して投げてくれた。(パラデスの)一つのプレーでこんな形になってしまう。スライダーもよかったし、途中から修正して、対応力で違う一面も見せてくれた。次回が楽しみ」と伊東監督。24イニングゼロ行進、ソフトバンクに今季6連敗の口惜しさも、ルーキーのピッチングが少しは晴らしてくれた。

【了】

細野能功●文 text by Yoshinori Hosono

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