“イチロー越え”迫る元ロッテ金泰均 65試合連続出塁のカギを地元紙分析
昨年8月7日以来続く65試合連続出塁、アジア記録はイチローの69試合
阪神・鳥谷敬が連続出場試合数で歴代2位に浮上したり(1771試合・4月24日現在)、楽天・松井稼頭央がスイッチヒッターでは史上8人目の2000安打&200本塁打を達成したり、日本プロ野球では開幕直後から様々な大記録が達成されている。そして、お隣・韓国KBOでも新たな記録が達成された。
2010年からロッテで2年プレーしたハンファ・イーグルスの金泰均内野手が、22日KTウィズ戦でヒットで出塁し、KBO記録を塗り替える64試合連続出塁を果たした。23日の同カードでも安打を放ち、24日現在、記録は「65」試合と更新中だ。アジア記録は、オリックス時代の1994年にイチロー(マーリンズ)が樹立した69試合。金がイチローに肩を並べるまで、あと「4」試合に迫っている。
韓国の地元紙「東亜日報」電子版では、抜群の選球眼と打撃センスを披露する金泰均について特集を組み、その中で連続出塁が続く最大の要因は「独特な打撃フォーム」にあると分析している。
金と言えば、両足を大きく開いたドッシリとしたスタンスを取り、顎を左肩にピッタリと乗せたフォームから、力強いスイングを繰り出しことで知られている。日本や韓国などアジア系の選手に多くは、投手に近い足を1度体に引きつけてから勢いよく踏み込む打撃フォームだが、これとは大きく一線を画する形だ。記事では、金の打撃フォームを「馬に乗っているようだ」と形容すると同時に「おかげでボールを手元まで呼び込みながら、鋭くスイングできる」と説明している。
記事によれば、金は両足を地面に踏みしめたフォームにすることで「ボールを見ることに集中」し、足を引きつけてから踏み込むフォームで生じる「視界のブレ」を防いでいるのだという。左肩に顎を乗せるのも同じ理由からで、このためチェンジアップによく対応できているそうだ。少しでも長くボールを見ることで、ストライクか否かの判断もしやすくなり、出塁率のアップにつながっているという。
昨年8月7日から続く65試合連続出塁の間には、10試合連続無安打ということもあったそうだが、この時は選球眼を生かした四球などで出塁が続いたそうだ。選球眼の良さは、他の記録にも表れている。今季はここまで14四球を選びながら三振を喫したのは7度だけ。三振数に対する四球数の割合が2.00というのは、KBOで2位の数字だという。
金は、23日の試合中に右太ももに痛みを感じて2回で交代したそうだが、軽症だという。KBOでは24日には試合組まれておらず、記録更新は25日に持ちこされた。イチローが持つ69試合連続出塁に届くのか。さらに、1949年にテッド・ウィリアムスが達成した84試合連続出塁というメジャー記録に迫るのか。韓国で更新中の大記録に目を向けてみるのも面白いかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count