2軍落ちしたロッテの“精密機械” 侍ジャパン石川歩の「精度」に明らかな変化
WBC向きと思われた、石川の効率のいい投球
石川はもともと無駄球が少ない投手だった。1年目からすでに1回当たりの投球数は最少だった。2年目、NPBの野球に適応する過程で、投球効率は悪化した。しかし、3年目、再び日本ハムの有原航平に次ぐ2位に。被安打が減り、制球力が向上する中で、球数は減る。打者への攻めが早く、どんどん追い込んでいく。そして長いイニングを投げることができる。先発投手の理想像だ。
石川の速球は152キロ程度。大谷翔平のような160キロ超の剛速球はないが、NPBで最も優秀な投手の一人になっていった。
2017年WBCでは、石川歩には「2009年の岩隈久志のような投球」が期待されていた。岩隈は2009年WBC第2ラウンドで、強打で鳴らすキューバ打線を6回5安打自責点0で退けた。無四球で、投球数はわずかに69。コーナーをつく2シームとフォークのコンビネーションで、ゴロの山を築いた。岩隈の投球はキューバの打者をして「もう嫌だ」と言わしめた。
石川にも同様の、精度の高い投球が期待されていたのだ。特に、球数制限があるため、効率の良い投球ができる石川は、WBC向きだと思われた。大谷翔平が辞退する中で、パの防御率1位・石川は、セの防御率1位・菅野智之とともにローテーションの柱となったのだ。
【今年、侍ジャパンのユニフォームを着てからの石川の戦績】
3月1日・台湾選抜戦(壮行試合)2番手
3回59球3安打6奪三振1四球 自責点1
3月7日・キューバ戦(1次ラウンド)先発
4回58球2安打1奪三振0四球 自責点1
3月12日・オランダ戦(2次ラウンド)先発
3回49球5安打1奪三振1四球 自責点5