「金子さんが上だった」―“2年目ジンクス”と無縁の楽天茂木を成長させる経験
オリ右腕の前に3打数無安打も、4打席目に見せた“打ちにいく姿勢”
好調・楽天のリードオフマンを務める2年目の茂木栄五郎内野手。1-4で敗れた2日のオリックス戦は第1打席で四球を選んだものの、その後は先発・金子の前に3打数無安打に抑えられた。
「制球力が抜群だったので、バッティングカウントからも決まっていたイメージがあったのでなかなか手を出していけなかったです。仕留めきれない。コースもいいし、キレもあって、なかなか捉えることができなかったです」
金子と4打席、対峙した試合後、茂木は冷静に振り返った。1打席目こそ、カウント3-2から2球ファウルで粘って四球で出塁。しかし、2打席目は1打席目と同じくカウント3-2からファウルで粘った後にカーブを見逃して三振、3打席目は1ストライクからカーブを打たされて二ゴロに倒れた。
「今日は甘い球が来てくれと願って、打席に立っていました。(甘い球が)何球か来ていたんですけど、いい球の残像があったので打ちにいけなかった。手を出しても、打ってもアウトにしかならないというイメージが自分の中でついてしまったので、なかなか初球から強いスイングができませんでした」
8回の第4打席。5球目のフォークで中飛に打ち取られたが、2、3打席目の反省を生かした。この日はストライクを見て、追い込まれるとファウルにしていた中、1ボールからの2球目のフォークと3球目の直球をフルスイング。空振りでストライクになったものの、打ちにいく姿勢を示した。
「あそこの打席はストレート1本に絞って振りにいったんですけど、捉えることができなかったです。今日は振りにいけていなかったのでストレートに絞って、あとは対応しようという気持ちで立ちました」と茂木。結果、それでも仕留められず、「金子さんの方が1枚も2枚も上手だったかなと思います」と脱帽した。しかし、こうした経験が茂木を成長させる。“2年目のジンクス”という言葉と無縁の男はさらなる階段を上る。
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高橋昌江●文 text by Masae Takahashi