球団タイ1試合7発の日本ハム、ロッテとの数奇な運命

東映時代には延長戦で7本塁打を記録、その相手とは…

 なお、東急と日本ハムが7本塁打を放った2試合は9イニングでの記録だが、同じく日本ハムの前身である東映フライヤーズは延長戦で7本塁打を記録したことがある。これは球史に残る破天荒な試合だった。

 1971年5月3日に東京スタジアムで行われたロッテ戦の7本塁打を振り返ってみよう。

萩原 3号(5回 池田)
大杉 5号(9回 池田)
作道 1号(10回 佐藤元)
大下 2号(10回 佐藤元)
大橋 5号(10回 佐藤元)
張本 6号(10回 佐藤政)
大杉 6号(10回 佐藤政)

 何と延長10回に、9番代打の昨道から5者連続本塁打が飛び出したのだ。これは当時の1イニングのチーム最多本塁打記録。1986年8月6日に西武が近鉄戦の8回に6本塁打を打って、イニングあたりの最多本塁打数は更新したが、5者連続本塁打はいまだに破られていないNPB記録だ。

 この日の試合、4者が連続ホームランを打った時点で、客席は大盛り上がりだったという。さらに、ここで打席に立った4番大杉が豪快なスイングで5者連続本塁打とすると、左翼席に飛び込んだ打球は奪い合いとなった。試合後のインタビューで、張本、大杉は「もちろん狙っていた」と語った。東京スタジアムも本塁打が出やすい球場として有名だった。チームは14-8で延長戦を制した。

 よくよく見てみると、この延長戦での記録も5月、しかも相手は同じロッテで生まれている。つまり、日本ハムは1試合7本塁打のチーム記録を、ロッテ戦で3回記録しているのだ。よほど相性が良いというべきか。

 日本ハムには辛酸をなめさせられているロッテだが、今季中にも大きな記録を樹立して仕返ししたいところだ。

【了】

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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