ソフトB工藤監督「僕なりに考えた」 “大怪我”防いだ丸封じ

第1戦3発、第2戦V弾…警戒した広島3番・丸封じ「目先を変えること」

 3年連続の交流戦最高勝率の座を勝ち取ったソフトバンク。覇権を争った広島を、勝ったチームが勝率1位となる18日の最終決戦で7-4で下した。序盤に4点をリードすると、5回に中押し点、8回にダメ押しの2点を加え、7投手のリレーで逃げ切った。

 勝負を分ける大一番。ソフトバンクの工藤公康監督が、最も警戒し、対策に打って出たのが、広島の3番、丸佳浩だった。

 16日の第1戦で3打席連続本塁打、翌17日の第2戦では同点で迎えた8回に決勝の12号ソロを放っていた丸。「今日のポイントは丸くん。そこを出さなければ、大量点にはならない」と踏んでいた工藤監督は、2試合で4本塁打と、ほぼ1人にやられていた左打者をいかに封じ込めるかに考えを巡らせた。

 1点を先制した初回2死での第1打席は、先発の山田が右前安打を許し、エルドレッドの同点適時打につながった。続く3回の第2打席。あえて左の山田を丸まで続投させ、空振り三振に切ったところで、岡本へとスイッチした。5回の第3打席は、結果的に四球となったが、岡本を代え、左の飯田をワンポイントで使った。第4打席は7回から登板していた嘉弥真に回を跨がせ、打ち取ったところで右の森にスイッチした。

「目先を変えることを、僕なりに考えた。うまく左を当てて、何とかしたいな、と」と工藤監督。2試合で打たれた4本塁打はバンデンハークが3本、そして岩嵜が1本といずれも右投手から。丸は左投手を苦するタイプではない(現に打率は左投手の方が高い)のだが、左投手を丸にぶつけ、しかも先発の山田以外は、打席ごとに投手が代わり、球筋が変わるように仕向けた。

 結果、2度の出塁を許したものの、大怪我となる大量点を防いだのだった。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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