悪天候でも勝てるコツを知る男、楽天・則本昂大が降雨コールドでつかんだ勝利

楽天・則本昂大【写真:荒川祐史】
楽天・則本昂大【写真:荒川祐史】

「力任せではなく、コーナーを突くピッチングをすれば大丈夫」

 楽天のエース則本が天も味方につけて、両リーグトップの9勝目をマークした。

 4日のロッテ戦で初回に先頭サントスを歩かせ、2死からペーニャにも四球と珍しく制球を乱した。5番鈴木には「大地さんが上だった」(則本)と外角に落ちる変化球に食らいつかれて左前に同点打。福浦にも遊撃内野安打で2死満塁のピンチを招いた。しかし、ここからが違う。三木を151キロ、154キロの速球で簡単に追い込み、3球勝負のフォークで空振り三振。「あそこを1点で抑えたのが、今日の勝因」と語った。

 台風接近で雨足は回を追うごとに強くなった。「マウンド状態がよくなく、厳しいところも取ってくれず、苦しいピッチングになってしまったが、2回以降は真ん中でも振らせていこうと切り替えた」と言う。

 与田コーチが「ベンチ前のキャッチボールからフォームをチェックしていた」と話す通り、則本には雨でぬかるんだマウンドでも勝てるコツを知っている。「力任せではなく、コーナーを突くピッチングをすれば大丈夫」と、下半身に無駄な力を入れないことに努めた。

 そんなエースを、4回に三好、島内、ペゲーロの3連続適時打が飛び出して一挙4点の援護。「何とか(早く)試合を成立させるピッチングをしたかった」と試合が成立する5回は、中村、田村、サントスを3者連続空振り三振に斬った。6回表終了後に予想通り中断して、わずか10分でコールドゲームになり、勝ち星を手に入れた。

 6月15日の神宮ヤクルト戦で今季2敗目。6月26日のオリックス戦も8回4失点で白星がつかなかった。6月8日のDeNA戦で完投勝利を飾って以来、約1か月ぶりの勝利だったが「打線が勝ちをつけてくれた。打線に感謝です」と謙虚だった。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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