レ軍番記者、ダルビッシュのトレードは可能性低いと予想 来季残留は金額次第か

レンジャーズはWC2位に2ゲーム差、トレード史上にはダルビッシュより価値ある投手も?

 ウエーバー手続きを経ないトレード期限が7月31日に迫り、メジャーでは各球団の動きが慌ただしくなってきた。そんな中で注目を浴びているのが、今オフにFA(フリーエージェント)となるレンジャーズのダルビッシュ有投手の去就だろう。シーズン途中でのトレードの噂も絶えない右腕について、地元紙「ダラス・モーニングニュース」のエバン・グラント記者が予想解説をしている。

 現在、レンジャーズの所属するア・リーグ西地区は、アストロズが2位以下に10ゲーム以上の差をつけて首位を独走状態。レンジャーズはワイルドカード(WC)でのプレーオフ進出を狙うことが現実的となっている。7月15日現在、WC2位のヤンキースを2ゲーム差で追う位置についており、プレーオフ進出の可能性は十分ある。となれば、戦力放出をすることはないだろう。

 もし7月31日までに大幅に負け越し、WCレースから引き離されることがあれば、戦力放出に出る可能性はある。その場合、レンジャーズの中で、トレードに出し、最も多くの見返りを期待できるのはダルビッシュだ。だが、記事では、戦力補強に動く球団にとって、今オフでFAになるダルビッシュよりも魅力的な先発投手がトレード市場にいることを指摘。グレイ(アスレチックス)、コール(パイレーツ)、メッツの先発陣らの方が、トレード獲得後も球団が保有権を長く持てるため、有望株を複数トレード放出する価値はあるとしている。

レンジャーズ・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】
レンジャーズ・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

来季以降は…ダニエルズGM「残留して欲しいが(金額の)折衝点が見つかるか次第」

 また、現在先発投手を必要としていると言われているのが、アストロズとヤンキースだ。だが、アストロズは同地区ライバルだけに、エース級投手をトレードすることは通常考えにくい。ヤンキースの方がトレード先としては可能性が高いだろうが、地元の報道を総合すると、キャッシュマンGMは今季終了までしか保有権がない選手に対して、大きな投資をする様子はない。

 さらに、グラント記者が指摘するのは、シーズン中にトレード放出した場合、来季ドラフトの2巡目指名以上の価値がある選手を獲得できるか、という点だ。FAになるダルビッシュがクオリファイング・オファーを拒否すれば、レンジャーズは見返りとして来季ドラフトの2巡目指名を手に入れることができる。だが、シーズン中のトレードでは、それを超える価値の選手は獲得しづらいだろうと予測している。

 一方で、ダニエルズGMは地元ラジオ局「KTCK-AM」のインタビューに応じ、「ダルビッシュは来季以降も残留してほしい選手。だが、最終的には金額的な問題になる」と話したそうだ。レンジャーズとダルビッシュの代理人は、昨オフから話し合いを重ねているというが、折衝点が見つからないまま現在に至っているという。同GMは「折衝点が見つかるかどうか。金額に折り合いがつくか」と話しており、残留を望んでいても、レンジャーズの予算内に収まらなければ、袂を分かつ覚悟もあるようだ。

 日本球界以上にビジネスの側面が強いメジャーリーグ。レンジャーズとダルビッシュは互いに愛着を抱いていても、別々の道を歩むこともありそうだ。

(Full-Count編集部)

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