疲労度は対照的 大阪準決で“センバツ決戦”再び、どうなる大阪桐蔭vs履正社
エース徳山筆頭に投手層の厚い大阪桐蔭
一方の大阪桐蔭も同じくここまで6試合を戦ってきたが、コールドゲームは2試合のみ。だが、エースの徳山壮磨をはじめ、2年生の長身左腕・横川凱、同じく2年生で140キロ後半の速球を持つ柿木蓮など投手層は厚い。打ち勝つ、というイメージではなく、勝負所でしっかり点を取り、着実な野球で勝ち上がってきた印象がある。ただ、27日の準々決勝・興国戦は初回に4点を奪われ、2回に追いつくも6回に再び3点を先行されるなど苦しんだ。興国の強打線に押されてミスが出た場面もあったが、点を取られても直後のイニングでしっかり点を取り返し、劣勢でも跳ね返すことができるのは、さすがセンバツ王者とも言える。
攻撃の核となるのは1番の藤原恭大。広角に打てる打撃に抜群な脚力も見せつけ、この日も2安打をマークした。数字にははっきり表れていないが、好調をキープしている。
準々決勝は先発した2年生右腕の柿木、2番手でマウンドに立った根尾昂がやや精彩を欠いたが、エースの徳山を温存できたのは大きい。ただ、5回コールドで試合時間1時間13分だった履正社に対し、3時間を超える激闘を制した大阪桐蔭。疲労度は対照的だが、逆境から勝利をものにした流れを29日も維持したい。「明後日(29日)の試合は正直どういう展開になるか分かりません。履正社は打線が乗っているし、正直怖い部分はありますが、気持ちでは負けたくないです」と、福井章吾主将は意気込んだ。
ちなみに履正社がすべての試合をコールドで勝ち上がり大阪桐蔭と決勝で対戦した13年夏は、大阪桐蔭が5-1で勝利した事実があり、これまでの足取りが決して“決戦”に影響するとは限らない。お互いの意地と意地がぶつかり合う“春の再戦”。今度はどんなドラマが繰り広げられるのか、今から楽しみでならない。
(沢井史 / Fumi Sawai)