球数少なく打者を追い込む円熟の投法 2位球団を支える阪神桑原、楽天福山
1イニングあたりの球数の少なさでは福山が1位、桑原が2位
救援投手としてリスタートし、2年目の2014年から3年連続で60試合以上登板。セットアッパーとしてなくてはならない存在になっているが、今季はさらに進化し、開幕の3月31日から7月11日まで自責点0。以後も好調を維持し、防御率は0.91だ。クローザーの松井裕樹が故障で離脱した7月26日からは、最後を任される。8月5日のロッテ戦では失点したが、すでに3セーブ。慣れないポジションで奮闘している。
彼もBB9が、2015年3.22、2016年2.45、2017年1.82と上昇している。制球力が向上して打者を追い込むことができるようになったのだ。
2人に共通するのは「投球効率が良いこと」。両リーグで40試合以上投げている救援投手のP/IP(1イニング当たりの投球数)5傑は以下の通り。
1.福山博之(楽) 13.39(44試合 39回2/3 531球)
2.桑原謙太郎(神)14.40(46試合 47回 677球)
3.サファテ(ソ)14.48(47試合 47回 681球)
4.牧田和久(西)14.72(44試合 49回2/3 731球)
5.今村猛(広)15.00(49試合 47回1/3 710球)
救援投手は先発投手ほど球数を気にしなくて良いとされるが、球数が嵩むと故障のリスクが高まるのは先発と変わらない。サファテと激しいセーブ王争いをしていた松井裕樹は7月22日の登板を最後に左肩痛で戦線離脱したが、P/IPは17.08(43試合 44回2/3 763回)、両リーグの40試合以上登板した投手40人の中で31番目だった。
阪神・桑原、楽天・福山は、効率の良い投球でどんどん打者を追い込んでいるのだ。ともに移籍を経験し、辛酸をなめてきた二人は、円熟した投球で試合後半に頼りになる存在として、シーズンの深まりとともにますます重要度が増すことだろう。
(広尾晃 / Koh Hiroo)