外国人記者から見た甲子園、英紙が異例の特集記事掲載「決勝は一面ニュース」
「甲子園に出場し、優勝することは、財を成すより重要視されている」
また栄光の影で「コーチや年長者から年少の部員がいじめられたり体罰を受けるニュースは少なくない」と指摘。「甲子園までの長い予選を勝ち抜くために、10代の子供たちに堪えきれない心身の負担を強いる、という批判もある」ことも紹介し、現在の在り方に肯定的な意見だけではない事実にも触れている。
記事内でインタビューに答えているのは、『和をもって日本となす』『イチロー革命』他、日本野球について多数の著作を発表した作家ロバート・ホワイティング氏だ。ホワイティング氏の言葉を借りると、「甲子園に出場し、優勝することは、財を成すより重要視されている。生涯一度のスリルと誇りはかけがえのないもの」「よくなるためには苦労が必要、苦労するほどためになるという哲学がある」「甲子園優勝を重要視するあまり、プロ入りのチャンスをふいにする投手もいる」。まだまだ昔ながらの高校野球のイメージが強いようだ。
今夏の甲子園では継投策が多く見られたり、エースに連投を強いるチームも減った。笑顔でプレーする選手が多く見られるなど、一昔前の高校野球とは少し違った在り方が見えた。だが、まだそういった取り組みの効果は、海外の記者やメディアが長らく持つ「高校野球像」を変える大きさには至っていないようだ。
来年は第100回を迎える夏の甲子園。野球大国とは言えないイギリスで、読者は高校野球はどんなイメージで捉えるのだろうか。興味深いところだ。
(Full-Count編集部)