甲子園6発の中村、日の丸で不完全燃焼 大会後に胸中吐露「悔しかった」

侍ジャパンU-18代表・中村奨成【写真:Getty Images】
侍ジャパンU-18代表・中村奨成【写真:Getty Images】

大きな期待背負った中村「こんなに思うようにいかなかった大会は初めて」

 夏の甲子園では大会新記録の6本塁打をマークし、侍ジャパンU-18代表では清宮幸太郎(早実)と並び大きな期待を寄せられた中村奨成(広陵)。しかし、「第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)では思うような打撃を披露できず、「悔しかったです。いい経験にはなったと思いますが、チームに貢献ができたのか(と言われると)、ハテナがつく」と振り返った。

 今大会最終戦となった10日(日本時間11日)の3位決定戦・カナダ戦で日本は8-1で勝利。銅メダルを獲得した。中村はこの日はセンター前に強い当たりを放ち、盗塁も決めた。序盤は結果が欲しくてどうしても当てにいく打撃になっていたが、試合を重ねるごとにいい当たりが徐々に増えてはいた。「もう少し試合があれば、この後もっと打てていたのかもしれないですけれど……」と本人は言う。

 試合にも捕手としてより、指名打者として出ることが多かった。「指名打者として試合に出させてはもらっていましたが、何であそこに座っていないのかな……とは思いました」。今夏の甲子園では攻守にわたり完全に主役となっていた。甲子園の疲れがなかったと言えば嘘になるかもしれないが、あの躍動があまりにも衝撃すぎただけに、期待の幅も大きかったはずだ。

 外国投手の動くボール、木のバットの対応力、そして捕手としての技量……。高校野球ではできない経験ができた大会の中で、いくつもの課題も手にした。「こんなに思うようにいかなかった大会は初めてかもしれないです」と本音を漏らしたが、プロに入る前に壁にぶち当たったことは、かえって良かったとも捉えている。

「この経験はプロで生きると思います」。今回の代表で仲良くなった増田珠(横浜)と、プロの舞台で共に戦うことを夢見つつ、今年の高校野球界屈指のスラッガーにはまだ超えなくてはいけない山がたくさんある。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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